パオロ・グッチ(Paolo Gucci)

生い立ちから初期キャリア

 
 
1931年、アルド・グッチ(Gucci創業者の息子)の次男として誕生。
父のアルドはパオロが生まれた時点で既に家業に入っていた。
 
1940年には父のアルドや伯父のロドルフォなどが
パオロの祖父で間もなく還暦のグッチオから少数の株式を譲り受け、
父・アルドは1940年代からGUCCIの仕事でますます忙しくなった。
 
創業者の祖父が亡くなる1953年に父のアルドがアメリカに進出したのち、
息子であるパオロは1977年にGUCCIのアメリカ現地法人の重役に指名。
 
 

グッチから追放される

 
私生活では初婚相手のイボンヌとの離婚を経て
1977年にジェニー・ガーウッドという女性と再婚。
 
アメリカ現地法人重役就任のわずか1年後である1978年、
彼の問題行動により、実の叔父であるロドルフォ・グッチから解雇され、
イタリアの親会社から追放された。
 
そんな彼は本家・グッチにビジネスに関われなくなった中、
自身の名を冠した「Paolo Gucci」というブランドを立ち上げ、
勝手にGUCCIの名前を使って自分のビジネスをはじめたほか、
グッチを相手どって訴訟を起こす。
 
これらの事が実の父であるアルド・グッチを激怒させ、
イタリアの本社からだけでなく、アメリカの関連会社からも追放されてしまう。
 
 

実の父親を刑務所送りにする(パオロの反撃)

 
 
家業から完全に追放されたパオロは、
なんと実の父親であるアルド・グッチの脱税容疑で提訴。
 
提訴された父のアルドは1986年に罪を認め、
晩年に約1年間の刑務所生活をおくる羽目に。
この一件はグッチの醜いお家騒動の代表格として有名。
 
 
1987年には自らが保有していたグッチ株を売却し、完全にグッチ家から離脱。
 
 

1995年秋に死去

 
1990年には2人目の妻であるジェニーと離婚。
その後、養育費の不払い問題などを起こし、晩年もトラブルメーカーであった。
 
そんな波乱万丈の人生を歩んできたパオロは、
1995年秋、慢性肝炎にて64歳で死去。
 
ハイファッションビジネス業界中では、
グッチ家の中でも夫(マウリツィオ・グッチ)を暗殺した
パトリツィア・レッジアーニと並んでくせ者扱い。
 
 
 

2021年に脚光を浴びる

 
 
なお、追放された事もあってグッチ家の中では
業界人以外の人達の間でそんなに有名な存在ではなかったが、
2021年公開の映画「House Of Gucci」の中に
主要登場人物の1人として登場する事が判明し、
グッチファンの多い日本において知名度・注目度が急上昇している。
 
 
 

Jared Leto is virtually unrecognizable as Paolo Gucci. https://t.co/qoUggE7Ze8 pic.twitter.com/NvtkEJwgz4

— Variety (@Variety) July 29, 2021

 
関連人物

• グッチオ・グッチ・・・・・パオロの祖父/GUCCI創業者
• アルド・グッチ・・・・・血なまぐさい争いをした実の父
• ロドルフォ・グッチ・・・・・・パオロをイタリア本社から追放した叔父/アルドの弟
• マウリツィオ・グッチ・・・・・ロドルフォの息子/パオロのいとこ