演歌と歌謡曲の違いとは?
わかりにくい「演歌」と「歌謡曲」の違いについて。
演歌(えんか)
「演歌」とは、
明治時代初期あたりから日本で人気を得てきたとされる音楽ジャンル。
(歌謡曲の一種)
正式な名前は「演説歌」で、
もともとは現代の若者がメッセージ性の強いラップを披露するように、
自由民権運動の有志たちが、自分たちの主張を歌詞に乗せて
"歌いながら演説する"
そういったものであった。
しかし、少しずつ政治色は薄れていき、
大衆に受け入れる流行歌へと変貌していった。
1970年代からは西洋色の強い歌謡曲が"ニューミュージック"として
枝分かれしたことより、純和風の歌謡曲である演歌の特徴が鮮明になった。
[現代における主な特徴]
- "こぶし"をきかせて歌う
- 短調(マイナー・キー)の曲が多い
- "純和風の歌謡曲"という意味合いが強い・・・・西洋文化を受けていない
- 着物を着て歌う(和装で歌う)人が多い
- 和風の楽器が多用される傾向[
- タイトルが漢字のみで構成される曲が多い
歌謡曲
「歌謡曲」とは演歌よりあいまいなもので、
大まかなジャンルを指す。
そして演歌も歌謡曲の一種。
もともとはおおまかなジャンルを指す語句ながら
現代において演歌とは別の音楽としてジャンル分けされる
「歌謡曲」
の意味としては、
第二次大戦後に日本が西洋文化をどんどん取り入れていく中で誕生した、
"和洋折衷な流行歌"
というような意味合いが強め。
特に1950年代・1960年代あたりに流行したと言われる。
その後、1970年代に入ってユーミン・サザンなどが登場すると、
西洋アーティストの影響を強く受け、
和風な部分がほとんどない彼ら・彼女らの音楽は
歌謡曲ではなく"ニューミュージック"と称されるようになっていった。
ちなみに
1980年代後半に日本の西洋化が一気に進み、
その影響で若者の演歌・歌謡曲離れが進んでいく中、
「日本レコード大賞」は
1990年から1992年まで
- ポップス・ロック部門
- 歌謡曲・演歌部門
に分かれていた時期があった。
その最初の年となる1990年に
「歌謡曲・演歌部門」の大賞を受賞したのは、
アリスというニューミュージック系バンドで活躍してきた堀内孝雄の
「恋歌綴り」という曲。
この曲は、まさに"歌謡曲"のど真ん中と言える曲で、
"演歌ではないものの、かといってポップスとも違う"
といった感じの和洋折衷な雰囲気の曲。
ムーディーなイントロで始まり、曲全体が和風とも洋風ともいえる雰囲気。
堀内氏が所属していたアリスはポップス・ニューミュージック系の
3人組バンドだっただけに「恋歌綴り」はポップスなのではないかという人もいる。
[現代における大まかな歌謡曲の特徴]
- 演歌とポップスの中間的
- 純和風な演歌と比べて西洋文化の影響を受けている
- 和装ではなく洋装が歌う人が多い
- 40代以上くらいの大人の歌手が多い
- 全体的にムーディーな雰囲気がある・・・・・軽快さのある曲とは対照的