繊維/アパレル業発祥の異業種大企業一覧

 
 
参考文献
https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/
https://www.itochu.co.jp/ja/about/history/index.html
 


 
繊維業は江戸時代から明治時代にかけて、
日本経済を大きく支えた日本の主要産業。
 
その後、斜陽産業となっていった中、
業態転換/事業領域拡大を経て異業種の大企業になっている例を紹介。
 
 

異業種大企業

 
 

トヨタ自動車(車メーカー)

日本一の規模を誇る大企業で世界有数の自動車メーカー。その起源は織物を織る「織機(しょっき)」事業が発祥。手動の織機から「自動織機」へと進出。織機を売るためのトヨタ自動織機製作所が設立される。その後、「自動織機から自動車」へと事業領域を拡大させ、同社の自動車部門が独立する形でトヨタ自動車が設立されたという経緯をもつ

スズキ(自動車メーカー)

創業者はトヨタグループ創業者同様に織物業が盛んな静岡西部出身。織機(はたおり機)メーカーとして会社を設立し、第二次世界大戦後に自動車事業へ進出。

ブリヂストン(タイヤメーカー)

日本が誇る目世界一のタイヤメーカー。しかし創業者はもともとタイヤとは全く無関係の「足袋」を製造を行っていた。そんな中、「ゴム底の足袋」という商品からゴムとは接点が生まれ、1930年にタイヤ事業進出。そして、世界的なタイヤメーカーへと成長した歴史をもつ

イトーヨーカドー(総合スーパー)

1920年、伊東雅俊氏のおじである古川敏雄氏が東京の浅草で「羊華堂」という洋品店を開業したのがすべてのはじまり。1940年、伊東雅俊氏の兄がのれん分けで浅草の別の場所に「羊華堂」を開業し、戦後に会社となる。その後、弟の雅俊氏がチェーンストア化を進めて1965年に伊藤ヨーカ堂へと社名を変更。翌年からは食品の取扱いを本格的に開始し、経営を引き継いだ鈴木敏文氏の手腕で世界的な小売り会社に。洋品事業発祥という事もあり、西友などのライバルより洋品小売りに力を入れてきた。

ベイシア(総合スーパー)

もともと「いやせ」という生地屋としてスタート。そこから創業者が幅広い商材を扱う総合スーパーへと進化させ、1996年にいせやを「ベイシア」にリニューアル

ゼビオグループ

スポーツ用品チェーン大手。もともとは福島県で紳士服店として創業

旭化成

すっかり化学系のメーカーという扱いになっていて東証の事業分類でも「化学」扱い。しかし1922年に旭絹織株式会社として創業したのが起源。今でも繊維企業としての側面をもつ。その他、1960年代にはパリコレデザイナーの川久保玲が勤務していた事でも有名

伊藤忠商事(総合商社)

初代・伊藤忠兵衛が「麻布」の行商を開始したのが発祥。そう板背景もあり、大手商社の中で今でも最も繊維・アパレル事業に注力。

丸紅(総合商社)

この会社も初代・伊藤忠兵衛が創業者。伊藤忠商事と深い繋がりがある繊維業発祥の総合商社

旧ニチメン株式会社(総合商社/現双日)

明治時代に日本綿花として設立され、日本の綿産業の発展に大きく貢献。第二次大戦後に総合商社へと転換。2003年に日商岩井と合併して双日となり、社名が消える

兼松株式会社(総合商社)

兼松房治郎が明治時代に羊毛の輸入を開始したのが始まり。

スーパーホテル

ビジネスホテルチェーン大手。1890年、大阪で繊維商・社山重商店として創業されたのが発祥。1970年代に入ってシングルマンション事業(不動産事業)に進出し、それがホテル経営につながっていった

兼松株式会社(商社)

創業者の兼松房治郎が羊毛などの貿易をスタートしたのが起源

ニッセン(カタログ通販)

呉服清掃業を営んでいた株式会社日本捺染の商事部門が独立する形で株式会社日本染芸が1970年に設立される。その会社が1974年に株式会社ニッセンへと改称。商材も呉服から洋服へと転換。洋服カタログから発展して様々な物を扱う総合カタログ大手企業に。今でもファッション系の商材が中心の傾向

 
 
明治時代あたりの日本は紡績業が主力産業だった事が関連し、
この領域との関連が深い商社や自動車関連メーカーが多数存在する点に注目。
 
 
 

 
 
 

繊維業者としての側面がだいぶ薄れている大企業

 

東レ

旭化成とは違い、こちらは今でも分類的には「繊維製品」の会社扱い。ユニクロとの提携もあり、アパレル企業の印象も残すが、あまりにも事業領域を拡大していて、一般的には何をしている会社なのかあまり知られていない傾向

ユニチカ

東レ同様に一般的には詳しい事業内容を知られていないものの、分類的には「繊維製品」扱い。1889年に有限責任尼崎紡績会社が創立される。時を経て「ニチボー、日本レイヨン(通称二チレ)」の合併によりユニチカが誕生。ちなみに「ユ」はUnited(結合)、「カ」はCompanyに由来

 
 
 

[番外編] もともとは繊維アパレル業界人だった有名人

 

渋沢栄一

彼が生まれた埼玉県深谷市は染料になる「藍(藍玉)」が名産品で彼の実家は、その栽培をして藍玉を作って売るビジネスをしていた。10代半ばの頃、その藍の買い付けをはじめたのが、のちにつながる大きな功績の起源

豊田喜一郎

トヨタ自動車の総業種。もともとは父・豊田佐吉のもとで「自動織機」発明の手伝いをしていた。佐吉が亡くなったあと、自動織機から発展する形で社内事業として自動車の製造をスタートさせ、のちに自動車業界人となっていった

土屋嘉雄

ベイシアグループ創業者。埼玉深谷の老舗呉服店の息子として誕生。高崎の呉服店でキャリアをスタートさせたのち独立。伊勢崎で生地や「いせや」を開業。そしてそのいせやを総合スーパー化させ、1996年にベイシアにリニューアルさせた。現役中は作業服のワークマンなど幅広い社内事業もスタートさせた。